【CD】樋口隆一(四季)、明治学院バッハ・アカデミー合唱団・合奏団『J.S.バッハ マタイ受難曲BWV244 後期稿』

日本を代表するバッハ学者にして指揮者の樋口隆一さんが、手兵・明治学院バッハ・アカデミーを率いて、J.S.バッハ《マタイ受難曲》の2度目の録音を敢行、このほどリリースされました(今年3月20日のサントリーホール30周年記念特別公演のライヴ盤)。2002年の「初期稿」(1727/29年)によるCDは、日本初演、世界初CD化ということで話題になりましたが、本CDは「後期稿」(1736年)によるもので、演奏面での充実ぶりが印象的。樋口さんのアプローチが、学者の研究のレヴェルをはるかに超えて、巨匠的な円熟味をたたえたものになっていることも特筆したいと思います。

[木村]