【CD】樋口隆一(四季)、明治学院バッハ・アカデミー合唱団・合奏団『J.S.バッハ マタイ受難曲BWV244 後期稿』

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日本を代表するバッハ学者にして指揮者の樋口隆一さんが、手兵・明治学院バッハ・アカデミーを率いて、J.S.バッハ《マタイ受難曲》の2度目の録音を敢行、このほどリリースされました(今年3月20日のサントリーホール30周年記念特別公演のライヴ盤)。2002年の「初期稿」(1727/29年)によるCDは、日本初演、世界初CD化ということで話題になりましたが、本CDは「後期稿」(1736年)によるもので、演奏面での充実ぶりが印象的。樋口さんのアプローチが、学者の研究のレヴェルをはるかに超えて、巨匠的な円熟味をたたえたものになっていることも特筆したいと思います。[木村]

【book】谷口昭弘『ディズニー・ミュージック──ディズニー映画 音楽の秘密』(スタイルノート)

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2006年にスタイルノートから出版された『ディズニー映画音楽徹底分析』が大幅に増補改訂されて戻ってきました。旧版ではたしか(各作品のDVDだったかCDだったかの)公式ページに飛ぶQRコードが随所に付いてましたが、今回はそういった仕掛けはなく、本格的な分析本としてのスタイルに徹しているようです。中身はまじめですが、著者の人柄を彷彿させるあたたかな筆致もこの本の魅力のひとつ。『アナと雪の女王』の「雪だるまつくろう」を歌ったのは作曲家の娘と監督の娘だったのか!とか、トリビアもたくさん。全400ページ、読みでがあるけど1冊置いておいて損はありませんよ。[木村] スタイルノート|ディズニー・ミュー・・・

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【book】日本ワーグナー協会(編)『ワーグナーシュンポシオン2016』(東海大学出版部)

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日本ワーグナー協会の年刊『ワーグナーシュンポシオン』が今年も刊行されました。今号の巻頭インタビューはヴァルトラウト・マイヤー。「テレビのなかのクラシック音楽」と題して新井鷗子さんが寄稿しているのも目をひきます。アルテスでは来年度からこの年刊の編集を担当することになっています。 東海大学出版部|ワーグナーシュンポシオン2016

【book】小野幸惠(著)鳥越文蔵(監修)『週刊誌記者 近松門左衛門──最新現代語訳で読む「曽根崎心中」「女殺油地獄」』(文春新書)

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歌舞伎入門書『幸四郎と観る歌舞伎』(小社刊)や『アルテス』および『アルテス電子版』での好評連載「和の変容」など、日本伝統芸能を中心とする多数の著作で知られるライター/編集者の小野幸恵さんによる最新刊。「日本のシェイクスピア」とよばれる浄瑠璃作者・近松門左衛門の代表作「曽根崎心中」と「女殺油地獄」を現代語で読みながら、現代でいえばさしずめ「週刊誌のエース記者」ともいえそうな近松のジャーナリスティックなセンスにせまるという異色作。近松の浄瑠璃が300年後の現代でも新しいのはなぜか──この本を読むとわかります![木村] 文春新書|週刊誌記者 近松門左衛門──最新現代語訳で読む「曽根崎心中」「女・・・

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【CD】下山静香『サウダージ・エン・ピアノ──ブラジル・ワルツ集』(フォンテック)

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スペインや中南米などのピアノ音楽を中心にユニークな活動を続けるピアニスト下山静香さんの最新作は、「祝リオ五輪!」ということでブラジルの作曲家によるワルツのアンソロジー。ヴィラ=ロボス、ニャタリ、ナザレの小品と、ミニョーネの12曲からなる組曲《街角のワルツ》を収録。独特の哀愁とノーブルさ漂う佳作アルバムだと思います。おすすめ。[木村] フォンテック|下山静香/サウダージ・エン・ピアノ──ブラジル・ワルツ集

【score】『モーツァルト ピアノソナタ イ長調[トルコ行進曲付き]』(全音楽譜出版社)

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一昨年(2014年)10月に弊サイトにて「【緊急レポート】モーツァルトのピアノ・ソナタ《トルコ行進曲付き》の自筆譜発見をめぐって」(文:畑野小百合)と題してお伝えしたニュースが、ついに日本版の原典版楽譜として結実しました! 全音楽譜出版社から『モーツァルト ピアノソナタ イ長調[トルコ行進曲付き]──2014年発見の自筆譜に基づく原典版』として、渡邊順生さんの解説・校訂により出版されたのです。 モーツァルト ピアノソナタ イ長調[トルコ行進曲付き]──2014年発見の自筆譜に基づく原典版|全音楽譜出版社 渡邊順生さんの解説にいわく── 昨年(2015年)の夏、さるドイツの有名・・・

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【book】湯浅学著『アナログ穴太郎音盤記』音楽出版社

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溝に音あり──音楽評論家・湯浅学さんの新著は、2010年以降に発売されたアナログ盤を聴き倒したエッセー集。『CDジャーナル』誌の連載などに書き下ろし40本を加えたもので、ニール・ヤング『Le Noise』に始まって、キース・リチャーズ、アラバマ・シェイクス、大瀧詠一まで、自宅で撮られた写真とペアで楽しめます。かつてよくお邪魔した縁側がなつかしい。本日発売です。

【book】アレックス・ロス(著)、柿沼敏江(訳)『これを聴け』(みすず書房)

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『20世紀を語る音楽』(全2巻、2010)の衝撃も記憶に新しい(とはいっても、もう5年も経ったんですね!)A.ロスの新刊は、分野も時代も自在に横断するつくりで、クラシック音楽のトップ・ブロガーであるロスの資質を、前作以上に示すものとなっています。[木村] みすず書房|これを聴け

【book】岡田暁生(著)『メロドラマ・オペラのヒロインたち』(小学館)

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「メロドラマ」の語源は「メロディ+ドラマ」で、もともとオペラのことをさしたそうですが、本書は「メロドラマ」としての本質に立ち返って、オペラを紹介する「名作オペラ入門」。岡田さんが小学館のPR誌『本の窓』に連載したものがまとまりました。檀れいの話も出てくるのだろうか……。楽しみです![木村] 小学館|メロドラマ・オペラのヒロインたち

【CD】塚谷水無子『バッハ オルガン作品集』(キング)

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1766年に10歳のモーツァルトが演奏したというオランダ・ハーレムの聖バフォ教会のオルガンを使い、録音されたバッハのオルガン作品アンソロジー。パイプオルガンとポジティフオルガンで《ゴルトベルク変奏曲》を録音、著作も刊行した鍵盤の異才・塚谷水無子さんの最新作です。パイプオルガンというと楽器というよりも巨大な建造物という印象がつよいですが、そこからこんなにも繊細な音色を引き出せるとは! できればよいオーディオ装置で、静謐な夜に聴きたい1枚。[木村] キングレコード|塚谷水無子/バッハ オルガン作品集 Minako Tsukatani, Kenbanist|Discography You・・・

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